FC2ブログ
中野ブロードウェイのTシャツ屋「オルタナティヴ」の新着情報&日記
階段先日、ドカドカと足音を立ててお店の急な階段を登って来る音がしたので、ふと階段のほうに目をやると、40代後半くらいのオッサンが階段を上がりきったところで店内を一瞬ぐるっと見回している。

アースカラーのチノパンに淡色ベースの縦縞のシャツ、長くも短くもない髪はしっかり整髪料で整えられて清潔感はなくもないが、今時、片手にセカンドバッグをぶら下げ、どこかうらぶれた表情に威圧感ある鋭い眼光はどうみても普通のサラリーマンではない。
俺の存在に気づくと脇目も振らずカウンターまでドカドカと足音をたてて勢いよく近づいてきた。そして俺の目の前に立ちはだかってひと言。「よぉっ!社長いる?」。

経験上、こういうオッサンは十中八九、新聞屋だ。そこで俺もひと言。「あ、社長は俺だけど、新聞ならいらないよ」。一瞬、オッサンが凍りついた。「え?あっ、いや、、」立ち尽くしたまま、急に挙動不審になって店内をキョロキョロ見回し、「あ、、いや、違うよ、息子の誕生日だからTシャツか何か買ってやろうと思ってさ、ハハハ、新聞屋じゃない、違う、違う、今、どんなの流行ってんの?ちょっと見立ててくれる?ハハハ、、」。

オッサンが新聞屋だろうが牛乳屋だろうが俺は一向に構わなかったが、「それは失礼しました、息子さんは幾つくらいですか?今売れてるのはこのあたりとか・・・」と接客モードに入る素振りを見せると、今度は「あっ!、そうそう、そうだ、3時半に息子と待ち合わせてたんだ、そうだ、直接連れて来るよ、そう、そのほうがいいよな?ハハハ、、」やっぱ新聞屋だ・・・。しかし、何故そんなに焦る、オッサン。一発で見抜かれたのがそんなに悔しかったのか。

焦って再び店内をキョロキョロしながら出口の階段へ向かうオッサン。「いやぁ~、お兄ちゃん、俺、新聞屋に見えた?マイッタね、こりゃ、ハハハ」。だから俺はどっちでもいいって・・・。俺のほうをチラチラ振り返りながら、「いやぁ~、マイッタ、マイッタ、ハハハ」・・・だから、何故そんなにまいるのか、オッサン・・・。

俺は階段に差し掛かったオッサンにニコニコしながら声をかけた。「階段、急だから気をつけて、新聞屋さん!」。俺の視界から突然、オッサンが消えた。物凄い音で階段を転げ落ちていった。

あわてて階下へ駆け降り、辺りを見回したが、既にオッサンの姿はどこにもなかった。俺は思った。やっぱ新聞屋だ・・・。


※うちの店、階段が急なので気をつけてね。

スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://alternativeclothing.blog24.fc2.com/tb.php/1264-1a5c37c2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック